五感を駆使した介護が大切
介護職は対人援助のスペシャリストと言われます。実際に介護の仕事では心身の不自由な高齢者に対し、日常生活のあらゆるレベルでサポートを実施します。起床動作や姿勢変換をはじめ歩行や車椅子の介助、あるいは食事や入浴さらに排泄に至るまで、日常生活に必要な介助を全般的に行います。
もちろん日頃から高齢者の健康も維持しなければなりません。介助中には視覚や聴覚そして触覚や味覚さらに嗅覚までも駆使して、高齢者の健康状態を観察します。例えば視覚で高齢者の表情や皮膚の色を見たり、触覚では脈拍の乱れや痛みの部位をチェックするなど、介護の現場では五感を活用した観察方法が基本です。
さらに高齢者の健康を維持する目的で、積極的な手段を試みることも、介護現場では珍しくありません。例えば毎日のレクリエーションもその1つでしょう。そもそもレクリエーションとは、人々の生活に楽しみや快さあるいは明るさ等をもたらす、一切の行為を指します。そしてここでの行為とは単なる四肢の運動ではなく、視覚や聴覚をはじめとした五感を全て含むものです。
このようなレクリエーションの活動を介護現場の中へ上手に取り入れることで、高齢者の健康維持に効果的に役立てることが可能になります。例えば後出しジャンケンでは、高齢者の反射神経や認知機能を鍛えたり、明るく積極的な気分にするなど、心身に様々なメリットをもたらします。さらにグループで行うレクリエーションも導入すれば、協調性やコミュニケーション能力の向上も期待できるはずです。